【決定版】 高齢者施設 それぞれの特徴!! どこを選ぶ?
以前高齢者施設の種類についてお伝えしたかと思いますが、今回は施設を使用する場合どんなところを見て選んでいけばいいか、お伝えしていきたいと思います。
施設利用(住む・介護・復帰)の理由は?
①自宅での生活が困難な場合 ➡ 公共施設
②自宅での生活復帰を目指す場合 ➡ 公共>民間
③安定した生活(環境)を必要とする場合 ➡ 民間施設
という図式を書きました。
①については切迫性や緊急性を考えた場合、民間施設よりも、公共施設を第一に考えたほうがいいでしょう。
公共施設の場合行政がついていますので、万が一でも対応してくれる可能性が高いです。
②についてはどちらを選んでも問題はないですが、どちらかと言えば公共施設(老司保健施設等)のほうが適切だと思います。
③については公共施設より、民間施設のほうが圧倒的に環境は整っております。向こうは高齢者(利用者)はお客様対応ですからね。
そのかわり、金額も公共施設よりもお高くなります。
考えるべきことは?
①費用はいくらまで払えますか?
あなたの貯金額は今いくらですか?施設に入るのにもお金がかかります。
しかも単発の支払ではなく、継続的に払っていかなければならないお金になります。
そのため、自分の経済状況を知って、それに見合った金額の施設に入ったほうがいいでしょう。
最悪、民間施設などは退去を強いられる場合があるかもしれません。
どんな環境下でも構わない、その代わり貯金はしないというかたも、安心してください。
生活保護で公共施設に入れるケースもありますので、そのようた対応も可能です。
②環境はどんなところをお好みですか?
たとえば、街中の喧騒とした環境下には住みたくない。というかたもいるでしょう。
逆に自然豊かなところで落ち着いた生活がしたい。というかたもいるかもしれません。
1階、2階などの希望もあるかもしれません。
これから長くお付き合いする施設です。拘りや、自分も理想があったほうが施設選びはスムーズな場面もあるかと思います。
③サービスはどんなものを望んでいますか?
介護が必要なのでしょうか?それとも何かあったときすぐに気づいてもらえるような、環境が必要なのでしょうか?細かな違いですが、その違いによって最適なサービスを選ぶことが可能となります。
④家族の負担は?するべきことはなんですか?
施設に入所できたらゴールではありません。そこからがスタートとなります。ご家族は施設職員と協力しながら、入所したご利用者を支えていく必要があります。ご家族のサポートは必要不可欠なのです。
公共施設と民間施設の大まかな違い
①それは介護保険における介護度(要支援1・2 要介護1~5)が必要かどうかということです。
公共型施設・・・必要
非公共型(民間型)・・・不必要(逆に介護が必要な方は入れない場合がある)
②医療が必要かどうか(傷の衛生管理・呼吸管理(酸素・吸引)など)
公共施設・・・△~〇 受け入れが可能なところと可能でないところがあります
民間施設・・・△~✖ 民間は基本的に受け入れが難しいと考えたほうが良いと思い ます。自己管理ができない場合は受け入れしてくれないでしょう。
③サービス提提供職員(医師・看護師・介護士・管理栄養士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・介護福祉士などの専門職)
公共施設・・・施設利用者数によって法律で決まっています。特に医師・看護師・介護士・管理栄養士は配置基準の元必ずいなければならない職員となります。
民間施設・・・施設形態によって必要なところと必要でないところに分かれます。また、常勤か非常勤の職員が配置されているのかも、民間施設を選ぶ場合は見るべきポイントとなります。
例)一日2時間勤務を週4日行う職員がいた場合これを一日に働いている職員として換算している場合があります。※法律的には良い。
なので、一日に何人職員が配置されているのかを聞いておくことが良いと思います。
様々な専門職
福祉は様々な専門職がつながりながら、高齢者、ご利用者を支えています。
図は、どんな専門職が繋がりながら、ご利用者を支えているかを表したものです。
〇や△は公共施設では必ず配置しておかなければならない専門職を示しています。
入居条件について
民間施設、公共施設どちらも含めての解説になります。
【年齢について】
原則65歳以上
【要介護度について】
自立、要支援1、要支援2、要介護1、要介護2、要介護3、要介護4、要介護5となります。
【認知症について】
施設によっては受け入れが可能なところと、不可能なところがあります。要相談となるでしょう。
【身元保証人について】
身元保証人なしでも入居は可能です。
今は身元保証人代行を行っているところもあります。
他にも成年後見人制度を使用すれば、身元保証人として受け入れてくれる施設もあります。
【生活保護について】
生活保護を受給している方でも、施設の受け入れは可能です。
ただ、民間施設などは受け入れを拒否する場合がありますので、要相談となると思います。
【お住まいの地域について】
全国から受け入れが可能です。
しかし、実際遠方での施設入所は、ご家族が対応できない場合が多いです。
その場合は、施設との協力や相談が大いに必要となってきますので、ご注意ください。
医療面での受け入れについて
★受け入れ可能である。若しくは相談可能な医療処置
【インシュリン投与】
要相談となるでしょう。インシュリンの投与も人によって違います。ご自分で管理できる方もいれば、できない方もいるため施設によって、可能な対応が違いますので初めに聞いてみたほうがいいでしょう。
【たん吸引】
【ペースメーカー】
【筋萎縮性側索硬化症(ALS)】
【在宅酸素】
【中心静脈栄養】
【人工透析】
【尿バルーン】
【鼻腔経管】
【褥瘡(床ずれ)】
上記のようにその他にも、多々医療的処置がありますが、基本的(主に公的施設)は受け入れ可能であります。しかし、人員配置の問題であったり、実際に対応が難しいという施設も少なくはありませんので、一度確認は必要でしょう。
★受け入れが難しい、不可能な医療的処置
【胃ろう】
【気管切開】
この二つに関しては、感染症や医療的に処置が非常に難しい部分に入ります。そのため、何かあったとき、要は施設での対応のせいで病状が悪化した。となる恐れがあるため、受けいれがむずかしいと思われます。
感染症面の受け入れについて
【HIV】
【肝炎】
【結核】
【梅毒】
【疥癬(かいせん)】
等など基本的に受け入れを断られることはありません。
介護状態の方を対象とした施設について
公共型については基本的に要介護度がついていないと受け入れられないです。
それは、介護保険法で決められているからということもあります。
しかし、料金は民間よりもはるかに安いため、入所を待っている人が多いのも事実です。
比べて、民間施設は、自立~要介護度5まで受け入れが多いですが、その分金額は高いです。そのため、入居までの待ちも早く、みんな早々に退所して公共型施設へ移動する方もいるようです。
自立状態の方を対象とした施設
自立の方を対象とした施設となりますので、基本的に看取りの対応はしていません。
それと、認知症の対応も軽度の認知症は受け入れてくれる場合もあります。
しかし、基本的に日常的な生活が可能なことが条件となるでしょう。
あとは介護度については、あまりはっきりとは決めていません。それは、介護度がついていても、施設が受け入れ可能で、自分で生活ができると判断されれば、受け入れが可能だからです。
公共型の施設には軽費老人ホームという施設があります。
軽費老人ホームには3種類に分けられるので、簡単にフローチャートにしてまとめてあります。
民間の老人ホームよりは安く、ある程度自立向けの方の施設となります。
入所される方の傾向として、身寄りがいなく、一人で生活するには困難である。しかし、民間の有料老人ホームに入るほど余裕のない人というようなくくりになります。
くくりが広いため、入所希望者も多く、殆ど入居待ちの状態であると思います。
コスト(費用)を下げるには?
①高額医療制度の活用(特定疾患・10万以上)
私たちが病気やケガで医療機関にかかるとき、健康保険証を提示すれば自己負担額は原則3割(小学生から70歳未満の場合)です。しかし、もしもケガや病気で大きく医療費がかかり、支払いが数十万円や数百万円ほどかかったとすればどうでしょう。こうした高額な医療費がかかったときでも上限を設けて負担を抑えてくれる制度が高額療養費制度(以下、高額療養費)です。
高額療養費では、1月(同じ月の1日~末日)に支払う医療費が自己負担限度額を超えた場合に、超えた分が払い戻されます。この高額療養費の対象となる医療費は、1つの医療機関においてその月の支払額が21,000円以上のものに限られます。また、1つの医療機関であっても、医科と歯科、入院と外来は分けて計算します。なお、70 歳以上であればこれらに関わらず自己負担額をすべて合算できます。
引用
https://hoken.kakaku.com/insurance/gma/select/high-cost/
詳しくは厚生労働省のホームページに記載されてますので、そちらをご覧ください。
②各施設・法人の助成制度(所得に応じて)
どこの法人にも助成制度というものがあります。人によって対象となる助成制度は違うので、一度施設にて確認してもらったほうがいいでしょう。
③消耗品の持参(日用品など)
施設で購入するまたはお願いすると地味に高いです。費用を下げたいなら必ず、持参しておきましょう。
④オプションの不利用(特に通院・買い物・洗濯・寝具等)
消耗品などもオプションと言えばオプションですが、今はすべてのサービスが加算という名目でお金が発生します。気持ちや、施設の優しさで行ってくれることはほとんどないでしょう。
「お金」or「手間」どちらかは選ばなければならないでしょう。
⑤介護度の上昇の防止(外出・外泊・面会など)
これも非常に大切なことです。介護度が上がるということは、施設での費用が上がるということです。
要介護3の人に比べれば、要介護度5の人への介護の対応は高くなります。そのため費用も高くなるのです。
そのため、できるだけ、家族が面会に行ったり、外出したりして、利用者、高齢者の方の気持ちを上げてあげることが大切です。
施設の対応のチェック
こまかなことですが、その施設の概要は知れても、普段の支援がどうなのかということは見えませんよね。
そこで、今回は、これがすべてではないですが、見ておくとよいと思う場所を上げていきたいと思います。
①掃除はしているか?
当たり前のことですが、これが意外と疎かになっているところはあります。
とくにスリッパ、車椅子のタイヤは埃がたまっていることが多いです。
草取りはされているか?
トイレはキレイにされているか?
カーテンは洗っているか?
などです。細かいようですが、こういう小さなところにその施設の丁寧さが表れます。
②ベットメイキングはされているか?
シーツは洗っているか?交換されているか?
③コミュニケーションは良好か?
自分たちに対して挨拶はしてくれるか?
近況報告はあるか?
職員同士の仲は良いか?などです。
正直このコミュニケーション部分が一番大事だと思いっています。
施設の職員同士もそうですが、ご家族とのトラブルで一番多いのが、コミュニケーション不足により行き違いがあることです。
④危機に対する備えは万全か?
スプリンクラーの点検は年に一度されているか?
消火器・消火栓の設置はされているか?
年度ごとに避難訓練はされているか?など防災に対する危機管理度も必要なところでしょう。
職員の目線
利用する側からの目線についてはここまで、書いてきましたが、最後に職員のたちばkら、家族に対してどのようなところを見ているかまとめてみます。
①面会はきてくれるか?
そもそも面会に来てくれないと、電話以外近況報告ができません。また、現場の職員からの話なども聞けないため、非常に困ることがあります。
②非常時の対応はどうか?
入所されている方が、急遽様態が変化したときに、家族がすぐに駆け付けてくれない場合、施設側は非常に困ります。一緒に協力してくれると今後のコミュニケーションがスムーズになっていくでしょう。
③良いところも悪いところも意見してくれるか?
良い面も悪い面も、施設は改善を日々しています。それに気づくのは第三者であるご家族なのです。無理難題な意見は施設も困ってしまいますが、建設的な意見は、非常に大切です。
④相談はしてくれるか?
ご利用者のこともそうですし、ご家族の小さなことも、相談してくれると、後々ご利用者へ関係してくる対応について、早急な対応ができてきます。
そのため、些細なことでも話しておくことで、後々大きな問題を回避することができます。
ここまで、介護施設の見るべきところや、要点をまとめてみました。
今後、まだまだ改善の余地がある部分はあるとおもいますが、実際に今福祉業界で働く私自身が実際に見ている現状について説明させていただきました。
今後、自分の家族や、妻、夫がお世話になるという方の少しでお役に立てるとよいです。