ゲーム依存症は国が認めつつある

パソコンやスマートフォンを使った電子ゲームを「やめたくても、やめられない」ことが過去1年以内ににあったとする若者が、少なくとも2割に上ることが11月27日、厚生労働省の初の調査で分かった。

 

ゲームのやり過ぎで日常生活に支障をきたす「ゲーム障害」の実態は、これまではっきりとしなかったが、厚労省は「使用時間が長いほど、生活に支障があることが確認できた」としている 。(精神・障害保険課)

 

ゲーム障害に該当するかどうかの判断はせず、その推計値も出さなかった。厚労省は今後も年齢層を広げて実態を調べるとのことである。

 

引きこもりが若者だけの問題でないことは、今年3月、内閣府の推計で明確になったようだが、ゲーム障害も社会問題として捉えていく可能性がある。

 

今回の調査は、国立病院機構久里浜医療センター(神奈川)が、厚労省の補助事業として今年1~3月に実施。

 

10歳~29歳の9,000人を対象に、5,096人から回答を得た。(回収率 56.6%)

 

「過去12ヶ月間にスマホなどでゲームをしたことがある」とした人は回答者の85%に当たった。(4438人)

 

平日の1日の使用時間は「1時間未満」とする人が最も多く40%に上った。

 

4,438人のうち「ゲームを止めなければ、いけない時にしばしば止められませんでした」という問いには平日の使用時間が「1時間未満」の人出は22%だった。

 

しかし、使用時間が長い人ほど、「はい」とする割合は高くなり、使用時間が「3時間以上4時間未満」の人は35%、「6時間以上」の人は46%が該当した。

 

「6時間以上」の人の半数は過去1年以内に30日以上昼夜逆転し、2割は6カ月以上引きこもっていた。

 

世界保健機関(WHO)は今年5月、「ゲーム障害」を依存症として正式に認定した。

 

ゲーム障害の患者を診察している同センターの樋口進院長は記者団に対し「患者の多くは未成年者で、夜ゲームをして食事をあまりとらない。アルコール依存を完全に断つのと同じように治療するのは困難だ。ゲームの使用時間を減らすことを目標にしている」と話した。

 

引用 福祉新聞 12月2日発行